JJを代表する、いわゆる赤文字雑誌(ViviRayCanCamもそのロゴが赤やピンクで彩られていたので、その世代のコンサバ系の雑誌は赤文字系と呼ばれています)を読んで育った私は、とにかくミーハーです。う〜ん、“ミーハーでした”というのが正しいのかもしれません。年齢を重ねた今でも、キャピッとしたものが好きですが、それなりに取捨選択ができるようになりました。
とはいえ、当時の私は流行っているものが気になって仕方がない。JJに載っている欲しいそれが売り切れてしまっていたら、悔しくて、悔しくて。どのくらい悔しいかって、夢にそのアイテムが出て来るほどです。だからとにかく探しまくります。都内にないなら、自ら全国の店舗に問い合わせをすることも。ときには数年後にやっと手に入った…なんてことも多々。ちょっと怖いですね(笑)。
そんなエピソードを15歳上のプロダクトデザイナーで、長年その業界を牽引する彼とご飯を食べているときに、話したことがあります。かれこれ6年くらい前のことです。なぜこんなことを今こちらのコラムで書こうと思ったかというのは、彼から返ってきた言葉があまりにも意外だったから。

 「欲しいなら、それは絶対にあきらめちゃだめだよ」と。「持っているものが君の雰囲気になるから、それをつくるモノに妥協をしてはいけない」と。「その人が身につけている衣服はもちろん、小物、ボールペンさえもその人の雰囲気をつくっている」と。その言葉を聞いてはっとしたことを覚えています。そうか、自分という人を作り出しているのは、自分なのだと。

 同じようなエピソードをもう一つ。もはや日本を代表する人物であり、“世界で最も影響力のある100人”に選ばれたこともある、片付けコンサルタントのこんまりさん(近藤麻理恵さん)が提唱している“お片づけメソッド”。コロナウィルスの影響による ♯STAYHOME週間で、彼女のそれを目にすることがまた増えました。
そのメソッドは、“ときめくものを残して、あとは思いきって捨ててみる”というもの。片付けを通して、自分の内面を見つめ、自分が大切にしている価値観を知ることで、二度と散らからない家をキープできるのだとか。しかも、その片付いている家が人生におけるすべての選択に大きな変革をもたらすというのです。

 それはまず、“理想の暮らしを描き出すこと”からはじまります。それを基に部屋や収納、クローゼットなどをどのようにすれば良いかを考えるというもの。いよいよ片付けがスタートしたら、手に取ってときめかないもの、つまり思い描いた“理想の暮らし”の中にマッチしないものは捨てていきます。たとえば、服で言うと、「このワンピースはそんなに好きじゃないけど、楽だからいい」とか「イマイチしっくりきていないけど、高かったから捨てられない」というような基準ではなく、着ていて自分に自信が持てる服を残すよう心がけることが大切とのこと。

 この2つのそれぞれの考え方は、骨格診断を日常に取り入れるべき理由につながっていると思います。デザイナーの彼もこんまりさんの考え方も、自分を構成するアイテムたちとひとつずつにきちんと向き合い、こだわるというプロセスこそが素敵な人に成長させてくれるということ。
私は、自分が自信をもって過ごせる服、スタイルが良く見える服、洗練されて見える服…つまり、骨格タイプに似合う服を着ることで人生が変わると本気で思っています。もちろん、骨格タイプに似合わないとされているけれど、どうしてもデザインが好きというものもあるでしょう。
でも、それだってあなたという人をつくっている大事な要素だから、着こなしを楽しんだらいいと思います。ただ、それが似合うように、骨格診断メソッドを念頭において、自分に似合うように昇華させること。とにかく、どんなデザインの服でも似合うように着こなすことが大切なので、骨格診断の知識を駆使して、自分に似合うようにときめく服をアレンジしてみる。そのプロセスこそが素敵な女性に成長させてくれると思っています。そしてそれを叶えるためのお手伝いをさせて頂くことこそ、私の役目だと思っています。

 「自分に似合う服は一体どういうものなのか」そのエビデンスがしっかりとしている“似合う服”を着ているというのは、自信やオーラの後押しになります。そして、それをまとっているときの快感を知ってしまうと、自分の魅力を半減させてしまうような服、骨格タイプに似合わない服を着る意味を考えてしまうはずです。自分に似合う、似合わないを判断できるようになると、こんまりさんが言うときめくものばかりに囲まれた生活になり、それが私たちに大人の女性としての余裕や奥行きを与えてくれるのです。

 かくいう私も、とんだミーハーで、大量の洋服に囲まれております。書いていたら断捨離欲求がむくむくと湧いてきました。今すぐ、骨格に似合わない服、ときめかない服を捨てようと思います。

 コロナウィルスの影響で、不安で不自由な日々を過ごされている方も多いと思います。今後、ファッションを楽しむどころの騒ぎではなくなってくるかもしれません。けれど、日々の生活にファッションは彩りを与えてくれます。だからこそ、あれもこれもと試すより、ミニマムに自分らしく、もちろん素敵に仕上がるお気に入りを見つけたいと思うのです。

 

写真は登場回数の多いお気に入りの小物たち。

 

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CLASSY本誌の中から骨格タイプ別のコーデをご紹介する
骨格別似合う服ベスト5」

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https://classy-online.jp/classy_tags/骨格診断/


棚田朋子

神奈川県出身。愛称は〝ティナ〟

光文社CLASSY.やJJなどを中心にファッションや美容ページ企画などのライターとして活躍する傍ら、骨格診断アナリスト協会(ICBI)にて骨格診断のディプロマを取得。以降〝骨格診断アナリスト〟としても活動中。

神奈川県出身。愛称は〝ティナ〟

光文社CLASSY.やJJなどを中心にファッションや美容ページ企画などのライターとして活躍する傍ら、骨格診断アナリスト協会(ICBI)にて骨格診断のディプロマを取得。以降〝骨格診断アナリスト〟としても活動中。