今や“見た目”が重視されがちな芸能人でなくても、ヘアサロンやエステに行くくらいの感覚で美容クリニックに通う人が増えた。ニキビ予防のためのピーリングやシミをとる施術など、比較的挑戦しやすい治療はもはやスキンケアの一環と捉えている人もいるし、20代でも顔に糸を入れてたるみ予防をする人もまあまあお見かけする。そんな風に若いうちからそのような治療をする人がいる一方で、自然なまま年齢を重ねて行きたいという人も。今やどう年齢を重ねていくかを自由に選べるようになった。コンプレックスや老いで悩むことが少なくなったけれど、だからこそ実年齢を考えた時の人としての深みが求められている気もするし、これまで以上に考え方や生き様が見た目に出るようになっていると思うのです。美容整形の分野である外科的な施術も今やオープンにできる時代。だからこそ、結果的に見た目よりも中身が大切なのでは?

 

30代の半ば、歳をとることに不安ばかりを感じていた時、著述家の湯山玲子さんに取材をさせてもらう機会がありました。今回このテーマについて綴ろうと思った時に思い出したのが湯山さんの教えの数々。そのご著書はもちろん、さまざまなメディアで湯山さんが発信されていることは、中年以降の女性が楽しく生きる戦略がたくさんで、「なるほど」と納得することばかりです。内容を簡単にお伝えすると、若さ以外で人を惹きつけるためには、サービス精神が旺盛であることが大切で、会話を提供できるような人であれということ。瑞々しさや可愛さだけでやっていけるのはいいところ20代まで。年齢を重ねて“人モテ”する人になるためには、自分から楽しめる力、人の話を聞く力、もっというと人の話を広げられる力が必要で、それができる人はこの先の人生もきっと必要とされるとのこと。誰かに楽しませてもらうのを待っているのではなく、自分から楽しいことを探しに行く。あえて赴いたそこは、驚くほどつまらないところかもしれないけれど、まずは行ってみること。やってみること。そうやってトライ&エラーを繰り返した人だけが中年以降も充実すると。

 

中年以降の皆さまは、人生の先ゆく人として未来ある若者たちにアドバイスをする機会は多いと思いますが、同じ目線で語れるものがあると、もっと素敵な関係性ができると思います。たとえば同じ“推し”だったり、同じ趣味だったり。仕事とは違う何かを通して知り合ったりするとそれは生まれやすいですよね。そのほかの共通テーマとして、いわゆる“診断もの”も年齢の垣根を超えたコミュニケーションツールになると思っています。骨格診断をはじめとするいわゆる〝診断もの〟というのはそれぞれが自分と向き合うきっかけになるだけでなく、今や老若男女の共通の話題になりつつあります。骨格タイプのネガティブとされているところが出てくる大人はもちろん、ティーンだって意識しているおしゃれの指針、骨格診断。このような共通の話題は世代を悠々と超えられるし、長く生きている者として、自分の経験をもとに次の世代に着こなしのコツを的確に伝えられたりします。失敗談も話せる可愛さがあればその距離はぐんと近づくはず! さらに、同じカテゴリーだと共感し合えることがたくさん。それぞれの骨格タイプならではの悩みを相談し合ったり、情報を交換できたりと年齢とは違うカテゴリーの仲間が出来やすいものです。

 

若さに抗うためにひたすら外科的な美容医療を繰り返す日々は精神的に参ってしまうでしょう。美容医療だけではなく、さまざまな手法で自分と向き合い、試行錯誤をしながらきれいを探求し、興味のあることを深掘りしたり。はたまたさまざまなところに行ったり。そうやって知性や人柄、センス…外見以外の積み重ねてきた何かでこの人と一緒にいたい、この人とお話したいと思わせてしまう人の方が人生100年時代を華麗に生き抜けると私も思うのです。さあ、今日も着たい服を自分らしく、できればスタイルアップも叶うようにコーディネートしましょう。そんな少しの試行錯誤が素敵な人をつくるから。

先日美容皮膚科の学会に参加してきました。写真は学会会場だった名古屋の老舗喫茶店ボンボンのスイーツ。素敵な場所だとは聞いていましたが、自分で行って確かめないと気がすまないたち。結果は、お噂通りの素晴らしい場所でお気に入りがまた一つ増えました。骨格診断も美容知識も美味しいものの情報も…私も納得しながら年を重ねていくべく、自分自身で検証していこうと思います。

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棚田トモコ

神奈川県出身。愛称は〝ティナ〟

光文社CLASSY.やJJなどを中心にファッションや美容ページ企画などのライターとして活躍する傍ら、骨格診断アナリスト協会(ICBI)にて骨格診断のディプロマを取得。以降〝骨格診断アナリスト〟としても活動中。