仕事柄、美しく魅力的な女性に会うことが多い。20代の美男美女の瑞々しい輝きを放つ方々はもちろん眩しすぎるのだけれど、私が最近とくにくらくらとしてしまうのは、50歳以上の女性たち。中でも3か月ほど前にお話しを伺った還暦を過ぎた知的な美女との時間はあまりにも尊いもので、あまりに素敵で終始心は踊りっぱなし。会話をしている最中もうっとりしていたし、別れた後もその方のふわりと残した香りとか、会話の内容、優しさの余韻が漂うその空間を 離れたくなくて、なかなか席を立てなかったほど。その方の素晴らしさを会う人会う人に言わずにはいられなくて、すでに2190時間も経過したというのに、いまだに自分の心の中に閉まっておくことができません。ということで、こちらのコラムにも書かせてもらうことにしました。

65歳を超えても端正な白いシャツとタイトススカートがサマになり、ピンヒールを少しだけカツカツと鳴らしながら歩いてくるその姿は格好良く、遠くからでも「聡明できれいな人」という表現がぴったり。骨格診断メソッドを知っているか知らないかは別として、それがとてもお似合いだから長年ご自分と向き合ってきたことがよくわかります。ピンッとした背筋に、細く柔らかいけれど筋肉を感じるふくらはぎ。聞けば、週に2日の筋トレと週3日の有酸素運動を20年以上欠かさず行なっているのだとか。適度な食事管理はされているけれど、お酒も少々嗜むそうで、目の下や頬は年齢相応のたるみがあって、目尻のシワにはこれまでの経験がくっきり。とにかく知識が豊富で世界経済の話とか、政治の話とか、私には難しい話もわかりやすく噛み砕いてお話ししてくださいました。朗らかに、品よく、ハキハキとした口調で。

美容医療の一般化や健康意識の高まりで年齢を重ねても魅力的な女性が増えているのは周知の事実で、それもあって日本もかなり若さばかりに価値をおく人が少なくなったように思います。これはあくまで私の見解ですが、ヨーロッパのように成熟した大人に憧れる人がもっともっと増えるのではないかと思っています。以前、婚活や少子化問題を扱うジャーナリストの方に取材をさせて頂いた際に「枕草子の時代から未熟なものや小さなものを愛でる文化がある日本とは違って、フランスは年齢を重ねた大人に若者は憧れる。お金を持っている大人ではないと楽しめない遊びがたくさんあって、若者は決して踏み入れられないから」とおっしゃっていたことを思い出しました。先ほどの素敵な人はまさにそう。培ってきた経験からくる自信と余裕。10代20代の若さにはない、知的な色気をまとったあの方をふと思い出しては今も尚うっとりしています。拝見した限り、ガシガシ美容医療をしている訳でもなく、若さに執着した着こなしとは無縁で、見るからに質のいい、ピチピチの肌では決して着こなせない、いい生地の服を身にまとい、ハイブランドもお似合い。私の目には今の年齢も存分に楽しめているように見え、こんな風に素敵に歳を重ねたいと強く思いました。

 

 ということで、最近は漠然と理想の歳の取り方について考えているのですが、先日こんな話も耳にしました。「古代ローマでは、年齢の認識が正確にされていなかったため、年齢と老人がイコールではなかった」そう。老人の定義は体力的に仕事ができなくなった人のことを指していたようです。また、6世紀から10世紀にかけてのトルコモンゴル族では老人が必要とされない人物として扱われる中で、健康な一部の老女たちは“聖女”と呼ばれ、尊敬されていたそうだし、ナイジェリアのティブ族では、老人でも健康で文化的に寄与されている方は特権階級を与えられたそう。つまり年齢で括られていなかった大昔は、健康でさまざまな知識と能力を所有していることがモテるための大切な要素だったということがよくわかります。

人生100年時代。自分よりもぐんと年下の人たちを惹きつける力。それは年齢を感じさせないはつらつとした身なりと、人生経験で培ってきた知識の量と朗らかな雰囲気。そこに年齢の垣根を超えて楽しめる話題があればもっと楽しいでしょうね、と思う最近なのでした。素敵な女性になるための一つの手段として、骨格診断はとても役に立ちます。日々自分と向き合いブラッシュアップしながら楽しく年齢を重ねたいものですね。

素敵な歳上の女性の経験を見聞きすると未来がとても楽しみに。幼少の頃、安藤優子さんの夕方のニュース番組を観て育ったこともあり、この方も大好きな歳上の女性の一人。安藤さんの着こなしやライフスタイルが一冊にまとまったこちらの本も繰り返し読んでいます。

 

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棚田トモコ

神奈川県出身。愛称は〝ティナ〟

光文社CLASSY.やJJなどを中心にファッションや美容ページ企画などのライターとして活躍する傍ら、骨格診断アナリスト協会(ICBI)にて骨格診断のディプロマを取得。以降〝骨格診断アナリスト〟としても活動中。