暑い暑い季節が始まっていますね。毎年この季節になると聞こえてくるのが「痩せなきゃ」なんていう台詞。最近では「骨格ストレートだから太っている」とか、「骨格ウェーブだからむくみが脂肪に変わるの」とか、「ナチュラルタイプだから太らない」という謎の情報まで耳にするようになりました。もちろん、どれも根拠のない情報ですが、今年も「夏までにマイナス5キロ!」とか、「今日から炭水化物はいっさい口にしない!」とか、「一日10キロ走る!」とか、はたまた“痩せるサプリ”や“痩せる漢方”に頼っている人をたくさんお見かけします。私も長年そういうことを試しては失敗してきた一人です。20代の頃、1ヶ月で10キロの減量に成功し、目標以上の体重になったことがあり、お恥ずかしい話、一時期はそれが武勇伝でした(笑)。ですが、もちろん見事にリバウンドして、あれよあれよとダイエットする前よりももっと体重が増え、一瞬だけの“ガリ細”体重と引き換えに痩せにくい体にもなりました。あの辛かった日々はいったい何なのだろうと、がっかりしながらも、まあ一瞬でも30キロ代になったからいいか、なんて自分を納得させるということを繰り返してきました。
さて、ここからはそんな私自身の体験はもちろん、美容ライターとして取材をしてきたことを踏まえて皆さんにお伝えしていきたいと思います。みなさんがざっくりと “ダイエット”と括っている中には“減量”と“ボディメイク”という、似て非なる二つが存在しています。それぞれ目的が異なるのですが、多くの方は“ダイエット=減量”と思っているように思います。ダイエットは“体重を減らすこと”を目指す場合もありますが、そもそもは健康的な体重の維持や適切な体組成(脂肪、筋肉、骨、水分それぞれの適性バランス)、健康的な食事習慣の確立をするために総合的なアプローチをすることです。つまり体の脂肪が多過ぎて健康を害する可能性が高い場合は体重や体脂肪を減らすことが必須ですが、体格を表す指標として国際的に用いられている肥満度や低体重の判定に用いられるBMIが適正とされる基準値内であれば基本的には減量は必要のないこと。ちなみに日本では25以上を肥満、18.5未満は低体重とされています。つまり、ダイエットというのは、単に体重を減らすことではなく、長期的な健康とウェルビーイングの促進を追求することを意味しています。ちなみにダイエットの中に含まれる“減量”は体重を減らすことが目的。具体的な目標を設定し、カロリー制限や運動などでとにかく体重だけを減らします。ただ無理な減量をすることで脂肪が少なくなり過ぎると、女性ホルモンの分泌が減り、月経が止まってしまうことも。本当に減量が必要なのかを考える必要があります。
一方、ボディメイクはその人にとって理想的な体型を作ることを目的としたものです。単に体重を落とすだけでは理想的な体が手に入るとは限りません。こちらは体重を落とすことではなく、ボディラインを整えることが大切です。ちなみに体重だけの話で言えば、脂肪よりも筋肉のほうが重いので、細く引き締まっている体のほうが体重は重かったり。けれど、筋肉がつけばその分基礎代謝も上がるので、脂肪が燃えやすくなり、健康的で太りにくい体に近づきます。
どちらにしても、1週間程度では理想の体重も体型も手にはりません。体重の動きだけを見るなら最低でも2週間は様子を見る必要があるし、ボディメイクに関して言えば効果が出るまでは2〜3ヶ月と言われています。そして、どちらも続けることが大切で、「無理なく普通の食事や運動をしながら体重や体型をコントロールできるか」が肝。そのためには1日3食、バランスのいい食事をし、減量をするときも糖質を抜かず、脂質を抑えること。他にも質の良い睡眠や有酸素運動と無酸素運動など必要とされることはいろいろありますが、ダイエットは食事が9割、運動が1割というのが鉄則です。
みなさん、お気づきですか。ダイエットに一番大切なことは大昔から言われているような普通のことだということを。さまざまな情報が飛び交う世の中ですが、ダイエットの成功の鍵は基本的なことを正しく行うこと。根性論のような食べないダイエットやある特定のものだけを食べ続けるような食事方法で行うダイエットはリバウンドしか待っていません。そしてサプリを飲めば痩せるとか、これをすれば痩せる!というような魔法は絶対にありません。私がお伝えしたいのは、基本の知識をつければ妙なものに振り回されないということです。そして基本を理解していればより自分に落とし込めるということ。巷に溢れるダイエット情報も然り、骨格診断メソッドの知識も然り。基本を理解しておけば新しい情報が出てきてもそれを自分で検証することができます。ダイエットで言うなら、正しい栄養の知識を理解し、体の仕組みを利用すること。骨格診断も各骨格タイプの体の特徴を理解し、着る服のデザインや生地がどう魅せてくれるのかを考えること。見慣れないトレンドのデザインが出てきても基本があれば臆せず手に取れます。ダイエットもオシャレも成功の鍵は基礎知識にあり。そう実感する蒸し暑い5月末なのでした。
美味しいものをたくさん食べたいし、一生動ける体でいたくて、筋トレをしたり、ヨガをしたり、ピラティスをしたり。最近の課題は姿勢改善。体重が減らなくても筋肉と正しい姿勢であればだいぶ細く見えるとトレーナーさんも断言しているので、頑張っています。
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棚田トモコ
神奈川県出身。愛称は〝ティナ〟
光文社CLASSY.やJJなどを中心にファッションや美容ページ企画などのライターとして活躍する傍ら、骨格診断アナリスト協会(ICBI)にて骨格診断のディプロマを取得。以降〝骨格診断アナリスト〟としても活動中。
二神弓子/丸田久美子/
森本のり子/寺尾智子
2017年1月18日初版発行