秋も深まりつつある最近。先日、スタイリストさんとこの秋のトレンドの色の話をしました。さまざまな雑誌で引っ張りだこの彼女は、骨格タイプはウェーブで、ひと目でファッション業界の人とわかるような出で立ち。わかりやすく“ブランドで固めています”というような着こなしではなくて、よくよく見てみると、その足元はCHANELだったり、LOEWEだったり、CELINEだったり。耳にあしらわれているピアスは思わず「素敵ね」と声をかけずにはいられないほどまばゆくて、どこのブランドのものかと聞けば、それはばっちり憧れのメゾンの新作だったり。そんなザ・スタイリストの彼女ですが、ただ新しいものや感性だけで仕事をしている人ではありません。理論的な考え方ができるというところも彼女の魅力のひとつ。骨格診断メソッドにも理解があって、どうしたらその人が素敵になるかを論理的に考えることもできるという、すごい人。私はそんな彼女をとても尊敬していて、ときにルールばかりにがんじがらめになって、既視感たっぷりのコーディネートになってしまいがちなときに相談をすることもあります。

 

 私はライターではありますが、ときにブランドさんから依頼を受けて、コーディネートを提案させて頂くことがあります。そこで毎回立ちはだかる高い壁。それは、骨格診断のルールをしっかりと拾ったがために、出来上がるものがどこか古い印象に見えたり、可愛らしくなり過ぎたり、カジュアル一辺倒になってしまったりするというもの。具体的に言うと、ストレート体型のコーディネートは真面目になりがちで、ウェーブ体型はガーリーになりがち。そしてナチュラル体型は、カジュアルで土っぽい印象になりがち。とはいえ、ベーシックが得意なストレート体型は、毎年丈やサイズ感を変えて“永遠の定番”とされているアイテムがきちんと出てくるので、コーディネートのどこかにしっかりと今年を象徴するもの(それはちょっとしたシルエットだったり、丈だったりするわけですが)を取り入れれば、ちゃんとその年らしい着こなしが完成します。そして、ナチュラル体型もオンラインショッピングを利用する人が多いということもあり、試着をせずに購入してもしっくりきやすい、比較的ダボッとしたサイズ感のものが多いということが追い風に。ざっくりとしたものであればなんとなくサマになる骨格タイプなので、似合うものの振れ幅がほかの骨格タイプより多いのです。

 

 ということで、たいてい悩むのはウェーブタイプのコーディネートを提案するとき。丸みのあるデザインのものや柔らかい素材が得意な骨格タイプなだけにフェミニンな印象なルックになりがちです。もちろんそれが似合うというのが骨格タイプの強みだと思うのですが、「可愛らしい服装ではなくて、カッコいい感じにしたい!」なんていうリクエストを頂くことがしばしば。それを実現するにはとろみのある生地ではあるけれど、どこかハンサムにキマル色を味方にすることです。スタリストと試行錯誤の末、行き着いた答え、それは “カーキ”を取り入れるということでした。

 キラキラとした装飾やふわふわとした質感が得意な骨格タイプはルール通りにスタイリングをすると、シャープさが足りない印象になりがちです。もちろんそんな女性らしいコーディネートも素敵ですが、ときに大人らしい芯の強さや辛味が欲しいときも。それが簡単に手に入るのが“カーキ”を取り入れること。それを教えてくれたのが、先程ご紹介したスタイリストの彼女。実践してみると、俄然納得。華奢な印象の骨格タイプなだけに、コントラストが強い配色のものよりも淡い色同士の組み合わせがしっくり。そこに淡い色との相性のいいカーキをプラスすることで、今っぽい“ヌケ感”と“カッコよさ”が加わるわけです。“ハンサムな女性像”を体現したい “ウェーブタイプの皆さん! ぜひコーディネートに柔らかな生地や曲線的なシルエットのカーキを取り入れてみてください。「カーキは顔色が悪く見える気がして苦手」という方は、まずはボトムスから取り入れてみるのもおすすめ。また、カーキをベースにしたブラウンやグレー寄りのダークトーンの色でも代用出来ます。ハンサムなコーデが簡単に実現するはずです。あっというまに寒くなった最近。たまにあるあたたかい日は存分に秋コーデを楽しみたいものですね。

 

私が持っているカーキアイテムの一部。私はストレート体型なので、シャツやIライン感の強いシルエットのキャミワンピースが中心です。シルエットが骨格タイプにマッチしていれば意外に攻略できるものですよ。

 

◆CLASSY.ONLINEでも骨格診断コラム連載中◆
CLASSY本誌の中から骨格タイプ別のコーデをご紹介する
骨格別似合う服ベスト5」

↓こちらからご覧ください↓
https://classy-online.jp/classy_tags/骨格診断/


棚田朋子

神奈川県出身。愛称は〝ティナ〟

光文社CLASSY.やJJなどを中心にファッションや美容ページ企画などのライターとして活躍する傍ら、骨格診断アナリスト協会(ICBI)にて骨格診断のディプロマを取得。以降〝骨格診断アナリスト〟としても活動中。