コロナウィルスによって〝変化〟することを余儀なくされた私たち。自粛期間明けの雑誌の特集には〝新しい価値基準〟とか〝自分のスタイル〟とか、〝色褪せない名品〟というような見出しがずらりと並んでいました。外出を控えざる負えない状況のなか、「あれ、洋服ってこんなに必要ないかも…」なんて思ったり、ファッションに求めるものがBeforeコロナとは別のものになったり。そう、これまでとは〝なにか〟が確実に変わったのは間違いのない事実。これからは、新しい暮らし方、新しい価値観とともに、自分にとって本当に必要なものを選んでいく時代であるのだと、みんながなんとなくわかっています。

 洋服を選ぶ視点で考えると、それは〝値段が安いから〟とか、〝ハイブランドだから〟とかいうような単純なものではないように思います。状況がコロコロと変わるなかで必要だと思うもの。それはまだ寒いあの頃からずっと続いている、私たちのそわそわした気分に寄り添ってくれるアイテム、つまり変化に強いアイテムだと確信しています。そして、洋服をたくさん持っていることよりも、少数精鋭で、あらゆるシーンで活躍できるものであることが大切だと気づき始めています。
今必要とされているのは、少ないアイテム数でも着回し力があって、着心地が良くて、でもちゃんとオシャレに見えるもの。突き詰めてみると、それはやっぱり骨格診断メソッドが核になっているとも思います。だって、骨格タイプに似合うものであれば、洗練されて見えやすいというのは間違いないのだから。ちなみに、各骨格タイプ別に似合うとされているものは、その年のトレンドにも左右されたりはするけれど、そこそこ平等に振り分けられているように思います。だからこそ、自分に似合うものが何なのかを知るという作業はこれまでよりもさらに必要とされていて、そうなると、これまでのように〝トレンド〟という理由だけで洋服をセレクトする人は圧倒的に少なくなるはずなのです。

 けれど、どこか旬っぽさがないと古い印象に見えるという心配も出てくるわけです。洋服で言うと、たとえば、シンプルなTシャツと言ってもデコルテのあき具合だったり、丈の長さだったり、身幅によって、旬度はがらりと変わります。だから洋服はベーシックアイテムと言われているものでも、毎年買い替える必要があるものも。いろいろ誤魔化しながら着ても、3年が賞味期限ということが多いのが事実です。つまり、2020年秋冬の〝自分ベーシック〟が揃ったとしても、それらは永遠ではないということを理解しておくべきです。
そう、残念ながら、一生着られるアイテムなんて、ないと思ったほうが正解かも。もちろん、たとえば、Tシャツ、たとえばデニムというように、いわゆるベーシックアイテムというのは存在するけれど、そのベーシックアイテムというのは、毎年ほんのりと形や丈を変えないと良き相棒にならないということです。果たして、形を変えずしてもずっと使えるものは何なのでしょう…汎用性が高くて、どんな時代でもさらりとマッチするアイテム…。真っ先に思い浮かんだのは、〝パール〟でした。

 パールって、すごいですよね。冠婚葬祭でも身につけられるのはもちろん、Tシャツにだって、タートルニットの上にだって、ワンピースにだって…相性の悪いアイテムを探すほうが難しいと言っていいくらい、とにかく色々なアイテムにさらりと似合ってしまうのですから。それは紀元前3200年頃にはすでに発見されていてた、世界最古の宝石。何世紀にも渡って、それこそ令和の今も必要とされていて、これでもかっていうくらい様々なデザインが生み出されているのに、未だに斬新なデザインが出続けていて。ストレート体型の人のカジュアルスタイルに品を加えてくれて、ウェーブ体型の人が身につければ、清楚さや可憐さを後押ししてくれる。ナチュラル体型の人だって、大きめのサイズや変化球のあるデザインのものをつければ、こなれた女性らしさが加わる。それこそ、母から娘へと受け継がれていくジュエリーとしてもふさわしい。どの時代につけても違和感がなくて、いつだって色褪せない。これぞ丁寧に長く使い続けられるスタンダードアイテムです。

 それ一つでも装いに奥行きを与えてくれるパールですが、何連に重ねてもぐんと華やかさが出るというのもすごいところ。また、他のジュエリーとの重ねづけもしっくりくる。フォーマルにもカジュアルにも、もちろん洋装にも和装にもはまる。この汎用性の高さこそ、パールのスゴさだと思っています。そして、遊び心のあるデザインにアレンジされても、ラグジュアリーさがあって、モードに昇華されるのも魅力。あのまん丸な形こそ、永遠のベーシックアイテムだけれど、ときにティアドロップ型やスクエア型、表現しにくいイビツな形にしてもパールだからこその品格はそのままに、時代に乗ることだってできる。だから!!! ネックレスでも、ピアスでも、リングでもブレスレットでも、はたまたアンクレットでも…。自分の骨格タイプに似合うパールを手に入れてみてはいかがでしょう。それを身につけるだけでコーディネートにぐんと奥行きが出ることをお約束します。

まだまだ厳しい暑さが続きそうな最近。スポサンやビーサンなどの足元に女らしさを加えてくれる、モダンな風情のパールアンクレットがお気に入り。最近好きなSOPHIE BUHAI(ソフィーブハイ)のものです。

 

◆CLASSY.ONLINEでも骨格診断コラム連載中◆
CLASSY本誌の中から骨格タイプ別のコーデをご紹介する
骨格別似合う服ベスト5」

↓こちらからご覧ください↓
https://classy-online.jp/classy_tags/骨格診断/


棚田朋子

神奈川県出身。愛称は〝ティナ〟

光文社CLASSY.やJJなどを中心にファッションや美容ページ企画などのライターとして活躍する傍ら、骨格診断アナリスト協会(ICBI)にて骨格診断のディプロマを取得。以降〝骨格診断アナリスト〟としても活動中。